2004年の活動記録 (2004年7月~2005年6月)
JCBL事務局 2007/1/31掲載今期の活動は、政策面ではナイロビで開催されたオタワ条約再検討会議への対応を、また啓発活動としては、愛知県で開催された万博に出展することに力を注いだ。ここ数年、条約の普遍化と強化を柱に活動してきたが、前者については、日本のODAのことにもからめながらスリランカやネパールの可能性を追求しているが未だ動きはない。また後者については、ナイロビ会議の前後に外務省や議員連盟の関係者と条約の定義や解釈をめぐる議論の場を設定してきたが、考え方の差異は大きく、より戦略的なアプローチを検討する必要がある。一方、万博への出展は、これまで語り部講座に参加してきた人をはじめ、新たにボランティアとしても多数が参加し、再び関心層の拡大を図る契機となった。
普遍化推進活動
『ランドマイン・モニター報告2004』
2004年11月18日(木)『ランドマイン・モニター報告2004』が全世界に発行され、JCBLも東京で記者発表を行った。日本の章は北川泰弘代表が中心となり執筆。中国の章は運営委員の長 有紀枝を担当した。なお、各国別の情報が掲載されるのは今回が最後となる。2005年版からは、条約批准国で地雷問題のない国は除外される。
会議出席
「2004年第2回会期間会合」2004年6月21日~25日 ジュネーブ
①条約の一般原則と運用②地雷除去・地雷回避教育・地雷対策技術③犠牲者支援・経済社会復帰④貯蔵地雷廃棄の4つの専門家委員会が開かれ、これまでの5年間の実施状況が報告された。JCBLからは北川泰弘が出席した。
「ナイロビ・サミット第2回準備会合」 2004年6月28日~29日 ジュネーブ
2005年から2009年までのアクション・プランについて議論された。北川が出席。
「第1回オタワ条約検討会議」2004年11月28日~12月3日 ナイロビ
過去5年間の成果を検討し、今後国際社会が対人地雷問題にどのように取り組むべきか話し合われ、2005年~2009年行動計画が採択された。より厳しい規制を求めるNGOの主張は取り入れられなかった。
会議には運営委員の長有紀枝、目加田説子、山崎淑子が出席した。山崎は愛知万博についてブース展示を行った。
政府との対話
- オタワ条約検討会議に向け、条約の内容を強化するよう外務省との話し合いの場を持った。(7月16日)
- 対人地雷全面禁止推進議員連盟の勉強会に出席し、検討会議について説明。条約の普遍化への努力と継続的な支援を訴えた。(10月14日)
アジアキャンペーンNGO支援事業(マインフリー・アジア)
2003年に引き続き、地雷問題を抱えるアジアのNGO活動を支援した。アジア地域はカンボジア、アフガニスタンをはじめとして地雷問題を抱える国が数多く存在し、オタワ条約の未加入国も2004年7月時点で17カ国ある。ネパール、ミャンマーは現在も対人地雷が使用されており、地雷の被害を避けるために地雷回避教育の普及が急務である。
義肢材料費支援
カンボジアのプノンペンに義肢装具士養成学校を開校しているイギリスのNGO、カンボジアトラストの義肢制作の一部として、石膏包帯の材料費を支援した。
地雷回避教育冊子製作支援
ネパールでは政府軍、反政府軍(マオイスト)とも地雷を使用しており、地雷原は陣地の移動に伴って移動する。被害を防ぐため、地雷廃絶ネパールキャンペーン(NCBL)では子どもたちや地域住民を対象に各地で地雷回避教育を行っている。JCBLはNCBLが配布する地雷回避旧教育の教材パンフレットの制作費を支援した。
パキスタン国境における地雷被害調査
2001年から2002年にかけてパキスタン/インド国境に地雷が埋設され、150人の被害が報告されているがその内容は把握されていなかった。現地NGOのSPADOが行った実態調査費用をJCBLが支援し、95人の被害者の性別、年齢、被害の時期・内容などを知ることができた。
国際会議参加費の援助
2004年11月26日、ナイロビで開かれたNSA(非国家主体)と地雷問題に関する会合への出席する費用(5人分)を共同議長を務めているフィリピンキャンペーンを通じて支援した。
調査活動
カンボジア地雷対策支援調査
2003年度のインターンだった林明仁を調査員としてカンボジアに派遣。(2005年5月)
カンボジアにおける地雷援助の現状の把握と課題を調べた。調査報告を今後のJCBLの活動に生かしていく。
啓発事業
愛知万博参加
JCBLは愛知万博(2005年3月25日~9月25日)の地球市民村で7月1ヶ月間、パビリオン展示することが決まった。地球市民村はNGO30団体が月ごとに5団体が交代で出展する。担当者は2004年2月から毎月行われる地球市民村事務局が開催するワークショップに参加し、展示内容を詰めた。JCBLの出展コンセプトは「対人地雷の廃絶に立ち上がった市民運動のサクセスストーリー」に決まり、それに添った展示内容とする。11月から国内事業のインターンを受け入れ、万博の準備に当たった。パネル制作、Tシャツデザインには倉敷芸術科学大学(大林誠教授)の、ボランティアの募集には中部地雷問題支援ネットワークの白井敬二さんの協力を得た。また、万博に向けて行われたちょうちょキャンペーンには、会員をはじめ多くの方からメッセージやちょうちょの切り抜きが寄せられ、リズムネットワーク、高島市のこどもキャンペーンから数千枚のちょうちょが届けられた。
シンポジウム 市民が世界を動かす~地雷廃絶運動から考える
オタワ条約を成立させた官民協働のプロセスを検証し、その経験を他の市民運動にどのように生かすことができるかを劣化ウランや通常兵器の禁止の運動を行う市民団体のメンバーと話し合った。愛知万博に参加するカンボジアキャンペーンのデニース・コグランさんがカンボジアでキャンペーンを始めたころの経験を基調講演した。(6月25日)