2005年度の活動記録(2005年7月~2006年6月)

JCBL事務局  2007/1/31掲載

今期は万博に出展したことが活動の全体の流れに大きく影響した。特に大きな成果としていえることは、下火となったと思われる地雷問題を再び多くの人々に知らせ、新たな関心層を掘り起こすことができたことである。また同時に、まだまだ地雷の問題について知らない人が多いことを認識した。こうした関心喚起の取り組みに力を入れた一方で、政府関係者との政策対話の場作りが弱かったことは反省点である。条約の履行義務である貯蔵地雷の破壊や埋設地雷の除去などの実施期限を迎える国々が出てくる中、これらの国々が条約の精神を曖昧にすることなく義務を果たすよう求めるとともに、期限を越える恐れのある国々に対して、どのような態度で臨むべきかなど政府と議論すべきことは未だに多い。

新しい取り組みとしては、兼ねてよりNGOの主張でもある生存者支援の維持、拡大を促する取り組みの一環として、ICBLが実施してきた生存者自身が声をあげるキャンペーンの中心的な役割を担ってきたウガンダの地雷被災者、マーガレット氏の活動費の支援を開始した。今後、マーガレット氏の活動を通じて日本政府をはじめ、各ドナー国に対して継続的な生存者支援の重要性を認識させる政策提言に結び付けていきたいと考えている。

普遍化推進活動

1)『ランドマイン・モニター報告2005』

2005年11月23日(水)『ランドマイン・モニター報告2005』が全世界に発行され、JCBLは11月24日(木)に東京で記者発表を行った。今号より地雷問題のない国々の情報掲載がなくなったので、条約批准国で地雷問題のない日本の章はなくなった。しかし、日本政府の援助状況などのデータはICBLに提供した。中国の章は運営委員の長有紀枝が引き続き担当した。

2)会議出席

第6回締約国会議 2005年11月28日~12月2日 ザグレブ(クロアチア)

JCBLから長有紀枝、目加田説子が出席した。会議の主目的は2004年のナイロビ・サミットで採択された「ナイロビ行動計画」の進捗状況を確認し、遅れがあれば促進することにあった。地雷被害国47ヶ国の約半数の22ヶ国が2009年に地雷除去期限を迎えるが、期限を守れない国は安易に延長要請をすべきではない。延長要請を認める過程を明確にすべきであるとの提案が出た。2006年9月の会議の主要論点となることが予想される。

ICBL会議 2005年12月3日 ザグレブ(クロアチア)

締約国会議の終了後、同じザグレブでICBL会議が開かれた。2004年のナイロビ・サミット以降大きく変更されたICBLの執行体制による初の戦略会議であった。5つのワーキンググループの会合が開かれた。JCBLからは長有紀枝、目加田説子が出席した。

ランドマイン・リサーチャー会議 2006年4月2日~4月4日 プノンペン(カンボジア)

ランドマイン・モニター報告書2006版の発行に向けたリサーチャーと編集者の打ち合わせが主な目的の会議。平行してリサーチャーのためのワークショップが開かれる。JCBLから内海旬子がオブザーバーとして出席した。

3)政府との対話

第7回締約会議に向けた常設委員会の前に、外務省通常兵器室との意見交換会に出席(4月24日)

キャンペーンNGO支援事業(マインフリー・アジア)

引き続き、地雷問題を抱えるアジアのNGO活動を支援した。アジア地域はカンボジア、アフガニスタンをはじめとして地雷問題を抱える国が数多く存在し、オタワ条約の未加入国も2004年7月時点で17カ国ある。ネパール、ミャンマーは現在も対人地雷が使用されており、地雷の被害を避けるために地雷回避教育の普及が急務である。

1)ULSA支援

ICBLの被害者支援活動レイジング・ザ・ボイス担当だったウガンダのマーガレット氏が、自国でサバイバー(生存者)を支援する当事者団体を立ち上げ(Uganda Landmine Survivors Association)、サバイバーの家を訪問したり、相談にのったり、必要な場合には一緒に交渉にあたったりする活動を始めた。JCBLでは、その活動の重要性を認め、被害者支援の一環として運営資金の一部を1年間支援することとし、2月より支援を開始した。

2)アフガニスタンABBRAR支援

国際協力フェスティバル(グローバルフェスタ)チャリティランからの資金で、アフガニスタンで地雷被害者のためのリハビリテーション活動を行うABBRARに、リハビリとトレーニングに必要な器材購入費を支援した。

啓発事業

1)愛知万博参加

JCBLは愛知万博(2005年3月25日~9月25日)の地球市民村で7月の1ヶ月間、パビリオン展示を行った。JCBLの出展コンセプトは「対人地雷の廃絶に立ち上がった市民運動のサクセスストーリー」で、オタワ条約成立のプロセス、特にNGO、政治家、官僚、一般市民など様々な人達の協力によって出来た条約であることを伝えた。また、条約未批准国に向けたメッセージを集めるちょうちょキャンペーンには、多くの方の協力を得られた。

2)ちょうちょキャンペーン実施

オタワ条約推進ために、未批准国へ向けたメッセージをちょうちょ型のカードに書いていただき、集まったカードは国別に分類して、日本に大使館のあるところは大使館に、それ以外の国は本国へ郵送し、条約批准を訴えるキャンペーンを引き続き行った。2005年10月までに13,415枚のカードが集められ(有効枚数は11,231枚。相手先の国名のないものが多かった)、15の国の大使館には訪問して手渡しし、中国、北朝鮮、ソマリアを除く21カ国には郵送して、オタワ条約批准を訴えた。2006年2月からは、「ちょうちょキャンペーン2006」として、新たにちょうちょのメッセージを集め始めた。キャンペーンは、10月末までメッセージを集め、昨年同様、大使館訪問で条約批准を訴える計画である。

3)セミナー「地雷、小型武器、女性と子どもの人権」 地雷反対ケニア連合のメレソ・アギナ氏を招いて

9月5日に東京で、9月17日には名古屋で、メレソ氏の講演会を開催した。

4)語り部ボランティア講座実施

3月18・19日に、日本赤十字社視聴覚室において、講座を実施。中学校教員、大学生、主婦など15名が参加した。

5)市民大交流フェスタ"育てよう!愛・地球博の種"出展

6月24・25日に名古屋で開かれた愛・地球博地球市民村1周年イベントに出展し、写真パネルの展示とちょうちょキャンペーンを行った。2日間で536枚のカードが集まった。