第3回「語り部養成講座」記録
JCBL事務局 2007/1/31掲載2006年3月18、19日、日本赤十字社の視聴覚室で、第3回地雷問題語り部ボランティア養成講座が開かれた。18日は15名、19日は12名が参加。アフリカで地雷被害者に接した看護師、自衛隊に入隊が決まっている女性、アフガニスタンの地雷原を訪れた学生、中学校や高校の教師、NGOの職員や主婦などなど、多岐にわたる参加者が研修を受けた。
地雷問題をもっと伝えよう
3月18日
まず、対人地雷の概況を運営委員の清水俊弘が説明。昼食をはさんで地雷除去の歴史的背景の講義を運営委員の長有紀枝が行い、難民を助ける会の紺野誠二さんが除去の方法について経験を交えながら話をした。カンボジアやアフガニスタンでは旧ソ連製の地雷が多く見られるが、ボスニアやクロアチアではほとんどがユーゴ製の地雷であるなど、地雷を見ると戦争の歴史が分かるという。
その後、長が地雷被害者に対するICBLの取り組みについて説明した後、国際義肢装具学会副会長で、JCBLの世話人の田澤英二さんから最先端の義肢について画像を見ながら説明があった。技術革新で義足がぴったり装着できるようになり、障害者も走ったりバイクに乗ったり、健常者と変わらない生活ができるようになった。
最後にカンボジアの地雷対策援助について昨年調査を行ったインターンの林明仁から報告があり、第1日目が終わった。
3月19日
午前中は運営委員の目加田説子による「オタワ条約の成立過程と今後の課題」。パワーポイントは使わず、参加者とやりとりしながら講義が進められた。なぜこれまでの軍縮条約ではなく新たに地雷禁止の条約を作らなければならなかったのか、どうして地雷禁止運動は成功したのかなど、オタワ条約の成立過程は参加者の関心も高く活発な意見交換が行われた。
その後、代表の北川泰弘による埋設地雷の除去、貯蔵地雷の廃棄をオタワ条約の定める期限までにどう終了させるのかについてICBLの取り組みとちょうちょキャンペーン第2弾を運営委員の山崎淑子が説明。リズムネットワークの代表、上井滋子さんが会員としてキャンペーンに参加した感想を述べられた。
午後は、第1回語り部講座の受講生の上井さんがどのようにして語り部として実績を積んできたのかの体験談と、受講生が語り部として実際に子どもたちや学生に地雷問題について話をする場を想定してワークショップを行った。コーディネーターの紺野さんから学校で話をする際は、上履き(スリッパでは動きにくい)、印鑑を持って行った方がいいこと、校長先生に挨拶する事もあるので、服装はスーツが望ましいなど具体的なアドバイスがあった。
誰もが現場に行けるわけではない。 自分はどうして地雷問題に関わったのか、何を伝えたいのか、自分の言葉で語ればいい。先ずは周りの家族や友人たちに伝えることから始めてみよう。JCBLとしても、語り部の出前を積極的に働きかけていきたい。
参加者の声
現実の重みを分かち合おう
地雷問題を身近に感じ、その悲惨さを伝えられるようになりたいと思い、今回の講座への参加を決めた。今、この瞬間も「悪魔の兵器 地雷」の脅威に怯える人々がいて、その犠牲者は毎日50人近い計算になるという現実をもっと身近な『現実』として受け止め、問題解決に向けて世界中の人々と歩めたら…という願いもあった。
2日間に及ぶ講義では、地雷という兵器について、地雷除去や被害者支援など、地雷廃絶を求める様々な取り組みについて学ぶことができた。 第一線で活躍される講師の方々からの講義はどれも力強く心に残っており、一人の力は確実に大きな力となって世界を変えることができるのだと、地雷問題を学び始めたばかりの私に勇気を与えてくれた。
鉄と木でできた義足を初めて手にした瞬間、その重さと冷たさから、地雷の悲惨さがいっきに胸にこみ上げてきた。現場から遠く離れた地に暮らす私たちが、この問題を考える際に必要なことは、その辛さや難しさを共に感じ、例え想像でも、現実の痛みを分かち合おうとする姿勢ではないだろか。
語り部1年生。まずは、身近な人へ地雷問題を伝えていこうと思う。
地雷廃絶のための活動に勇気を得る
語り部ボランティア講座は受講生、スタッフの方々の自己紹介から始まった。地雷について漠然とした知識しか持たない私は、他の参加者の地雷問題への関心の深さに圧倒され、不安な気持ちでスタートした。
2日間の講座は、JCBLや難民を救ける会、国際義肢装具士学会の方々が講師で、対人地雷の現状と問題点、オタワプロセスの話を聞いた後で、実際に「語り部」を体験することになった。
にわか仕込みの付け焼き刃は簡単にはがれたが、現地に行かれて医療活動された方などの「語り」には説得力があった。地雷と自分の関係を生きた言葉で伝えたい。知識だけで人に共感してもらうことはできないだろう。
参加された方々と話をする時間がなかったのは残念だった。「悪魔の兵器」といわれる地雷を作るのが人間なら、気の遠くなるような地雷廃絶のために活動している人たちもいることに希望を感じ、勇気づけられ、終了。充実した講座をありがとうございました。
日本の医療技術の素晴らしさに感動
3月18日・19日の両日、JCBLの講座に参加した。本講座の初日は「対人地雷の現状と問題点を知る」、2日目は「解決に至るプロセスと実践例を学び、実際に講師を体験する」であった。
これまでに私は中学校の教師として難民を助ける会から講師を招いてのワークショップやJCBLより貸し出された地雷や義足を活用しての地雷に関する授業を展開してきた。昨夏には『アジアの地雷・不発弾被害を伝える会』主催の「カンボジアの植林・地雷原視察ツアー」にも参加した。これらの経験を経て、なお一層根本的に地雷問題を学習しなければならないと思い本講座に参加した。
本講座は「対人地雷の現状と除去」「被害者援助と社会復帰」「オタワ条約の成立過程と今後の課題」など多岐にわたるものであったが、「カンボジアの復興支援」に関心を寄せる私は、義足づくりに活躍されている田澤先生の講演に魅了された。日本の医療技術の素晴らしさに改めて感動した。途上国のインフラ整備に偏る日本政府の援助に強く警鐘を鳴らされているとも感じた。