クラスター兵器 に関する3つの報告書

北川 泰弘 2007/1/31掲載

クラスター兵器はベトナム戦争、湾岸戦争、アフガニスタン攻撃、イラク攻撃で大量に使用された。その無差別性、戦闘後は事実上の対人地雷となることによる一般市民の被害が報道され、クラスター兵器を禁止しようとの声が上がりながらまとまらなかった。去る7~8月にイスラエルがレバノン南部に大量のクラスター兵器を使用して、一般市民に大勢の犠牲者が出た。停戦後1月経っても毎日3~4人の死傷者が出ており、その35%は子どもである。これを機に、クラスター兵器を禁止しようという気運が再び盛り上がりつつある。それに応えて次の3つの報告書が出た。国際人道法をベースにしてクラスター兵器を禁止する条約を成立させるための議論を始めるための貴重な報告書である。

Foreseenable Harm

英国Landmine Action(www.landmineaction.org

2006年のレバノン南部の被害の詳報である。イスラエル軍は1,800余のクラスター兵器を使用した。子弾の数にして120万発である。これらは住民の住居近くで使用された。停戦前の3日間に平均の3倍を使用。1970代に米国が防御用の条件付で輸出した兵器も使用した、等が報告されている。

Fatal Footprint

ベルギーHI (www.handicap-international.be

1973-2006年に世界23ヶ国の国ごとの死傷者数を、爆撃中、戦争中、戦後の3段階に分けて、地雷、不発弾、クラスター兵器の原因別に調査、報告している。調査が難しくまだ不完全なので、2007年に改訂版が出る予定。地雷の被害国が90ヶ国であるに対し、クラスター兵器の被害国が23ヶ国であることが禁止条約化の障害となっている。

Failure to protect

英国Landmine Action (www.landmineaction.org

既にクラスター兵器を禁止する法律を成立させたベルギーのほか、かつてクラスター兵器の禁止を訴えた30ヶ国の国名と言い分のリストを掲載し、不発率を下げる等の技術的解決は真の解決にならないとして、国際人道法の見地から、クラスター兵器を条約で禁止するための議論を展開している。

(JCBLニュースレター no.38より抜粋)