軍のクーデターから1年が過ぎたミャンマー。
現地の様子が気になるところです。
地元メディアなどからの情報をもとに定期的にミャンマーの近況をお伝えします。
- 第4号(2022年5月14日版)
- 軍評議会の裁判所、スーチー氏の控訴を棄却
- 外国人観光客の受け入れ開始へ
- 僧侶、軍評議会のお布施をボイコットへ
- 第3号(2022年4月22日版)
- ミャンマー軍政、1600人超に新年の恩赦 政治犯含まれず
- 国民の100人に1人が避難民、国連が発表
- ミャンマー各都市のガソリンスタンドで長蛇の列、外貨の強制両替が影響か
- 第2号(2022年4月16日版)
- ミャンマー国民 軍主導の水かけ祭りをボイコットへ
- ミャンマー裁判所、記者に懲役2年の刑
- 第1号(2022年4月9日版)
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チン州の小学校で地雷が爆発、2人が被害
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ザガイン州の少数民族勢力らが国軍を地雷で攻撃
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WFPの食糧支援をミャンマー国軍が妨害
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過去8か月に2800回以上の武装衝突
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◆第4号(2022年5月14日版)
軍評議会の裁判所、スーチー氏の控訴を棄却
5月5日、ミャンマー軍評議会の最高裁判所は、汚職により5年間の実刑判決を受けたアウンサンスーチー氏による控訴を退けた。
クーデター以降、スーチー氏は軍部に拘束されており、懲役期間が合計150年以上になるほど様々な訴訟を起こされている。
今回控訴していたのは、60万ドルの現金と黄金を不正に受け取った汚職罪に対するもの。スーチー氏の弁護士によると本人は訴訟内容について「ばかげている」と言っている。
スーチー氏は、国の法治状態を確認するため最後まで控訴を続けるという。次の審理日程は明らかにされていない。
(Mizzimaより抜粋・翻訳 2022年5月5日)
https://mizzima.com/article/myanmar-junta-court-rejects-suu-kyi-corruption-appeal
外国人観光客の受け入れ開始へ
軍評議会は、2022年5月15日から観光ビザ(E-VISA)の発給を始めると発表した。
ミャンマーは2020年3月から2年以上の間、コロナウィウルス感染防止のために国境を閉ざしてきた。
活動家たちは、外国人観光客へミャンマーを訪れないように呼び掛けている。
(izzimaより抜粋・翻訳 2022年5月13日)
https://mizzima.com/article/myanmar-junta-reopen-borders-tourists
僧侶、軍評議会のお布施をボイコットへ
マンダレーの仏教出家修行者(サンガ)連合は仏教僧に対し、5月14日に開催が予定されている軍評議会主導の米のお布施行事等、あらゆる宗教行事をボイコットするよう呼び掛けている。
軍評議会は、行事に向けて道路脇に看板を立て、住民に寄付やお布施を呼び掛けているが、サンガ連合の僧侶の一人は「人民を拷問し殺害する軍評議会の寄付行為には意味がない」としている。
マンダレーの住民は、軍評議会は仏教を保護することで、平和と安定をアピールしたい思惑があるのでは、と述べた。
(Irrawaddyより抜粋・翻訳 2022年5月12日)
https://www.irrawaddy.com/news/burma/buddhist-monks-urged-to-boycott-myanmar-junta-rice-offerings.html
◆第3号(2022年4月22日版)
ミャンマー軍政、1600人超に新年の恩赦 政治犯含まれず
ミャンマー軍事政権は17日、旧暦の元日に合わせて全国の受刑者1600人以上に恩赦を与え、釈放した。反軍政デモの参加者は含まれなかった。
国営テレビは、外国人42人を含む1619人に「恩赦」が与えられ、元日に釈放されると伝えていた。新年の恩赦は毎年恒例で、昨年は2万3000人が釈放された。
(AFPより抜粋 2022年4月17日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3400679?cx_part=top_category&cx_position=2
国民の100人に1人が避難民、国連が発表
ミャンマーのクーデターから現在までの15か月間で、紛争から避難した人の数は56万6100人となり、ミャンマー国民の100人に1人が避難したことになると国連人道問題調整事務所が発表した。
同事務所は、4月20日に声明を発表。ミャンマーではクーデター以前からの国内避難民と合わせて90万人以上が避難しており、人道危機に非常に近い状況だ述べた。
(Radio Free Asiaより抜粋・翻訳 2022年4月20日)
https://www.rfa.org/english/news/myanmar/displaced-04202022203132.html
ミャンマー各都市のガソリンスタンドで長蛇の列、外貨の強制両替が影響か
ヤンゴンやマンダレーなどのガソリンスタンドで4月19日、ガソリンスタンドで給油待ちの自動車やオートバイによる長蛇の列が発生した。DVB Burmese Newsが伝えたもので、前日の18日に一部メディアがガソリンの供給不安について報じたことをきっかけに市民が殺到したとみられる。
ヤンゴン市内のガソリンスタンドでは、1台あたりの給油量に制限を設けたほか、在庫切れや売り渋りのために午前中で閉店する店舗もあり混乱に拍車を掛けた。
現在ヤンゴン市内で販売されているガソリン価格は1リットルあたり1,890Ks(およそ130円)で、1年前の3倍近くに高騰している。
(Myanmar Japon Onlineより抜粋 2022年4月20日)
https://myanmarjapon.com/newsdigest/2022/04/20-40896.php
◆第2号(2022年4月16日版)
ミャンマー国民 軍主導の水かけ祭りをボイコットへ
ミャンマー国軍は、ミャンマー最大の祭りである水かけ祭り(ティンジャン)を4月13日から2年ぶりに開催し、国民に参加を呼び掛けているが、ミャンマー国民や企業はボイコットする模様だ。
一昨年の水かけ祭りは新型コロナウィルス感染拡大のため、昨年はクーデターへの反対表明をするために国民がボイコットをした。
国軍は、今年は水かけ祭りを通常通り開催することでミャンマーに日常が戻ったと世界にアピールするつもりだった。しかし、例年なら期間中に設置される水かけ舞台のスポンサーとなる企業が、今年はどこも手を挙げていない。
ミャンマー民主派が設立した挙国一致政府の国民防衛隊(PDF)は、水かけ祭りを狙って国軍が攻撃を仕掛ける可能性があるとして、国民に参加をしないよう警告をしている。
(AFPより抜粋・翻訳)
ミャンマー裁判所、記者に懲役2年の刑
シャン州ラショーの犯罪裁判所は、シュエピーミャイ通信の元記者ルウェンアンポーン氏に懲役2年の刑を科した。
裁判所によると、同氏は 2021年に国軍が刑法に新設した505A号「政府役人に対する犯罪をそそのかす、恐怖を与える、誤った情報を拡散する」罪を犯したという。
シュエピーミャイ通信の編集者は「記者が記者としての仕事をしていたことで逮捕されるのは受け入れがたい。国軍は人権を侵害しているだけでなく独裁的な逮捕を書くそうとしている」と非難した。
(Mizzimaより抜粋・翻訳)
https://mizzima.com/article/myanmar-court-sentences-former-reporter-and-tsyu-staff
◆第1号(2022年4月9日版)
チン州の小学校で地雷が爆発、2人が被害
4月2日、ミャンマー北西部チン州マトゥピ郡の小学校で地雷が爆発し、同地区長2人が被害を受けた。
ミャンマー国軍は、地雷を敷設したのはチン州の少数民族勢力だとしているが、チン州の住民は国軍が敷設したと述べている。チン州住民は「その小学校には国軍が駐留していた。国軍は自分たちを守るために地雷を埋め、そのままほかの場所へ移動した」と話している。
(Mizzimaより抜粋・和訳 2022年4月8日)
https://mizzima.com/article/junta-falsely-blames-terrorists-blast-injuring-pastors
ザガイン州の少数民族勢力らが国軍を地雷で攻撃
ミャンマー北部ザガイン州の人民防衛隊(PDF)によると、少数民族武装勢力らが地雷を使った攻撃で国軍兵士15人を殺害した。
PDF代表は、「4月3日、トンジー村を通過中の国軍トラック4台の近くで地雷3個を爆破させ、小型武器で攻撃した」と語った。
※PDFは、国民民主連盟(党首はアウンサンスーチー氏)の議員が中心となり、軍のクーデター後に設立した国家統一政府(NGU)が組織した防衛隊。
(Mizzimaより抜粋・和訳 2022年4月5日)
https://mizzima.com/article/sagaing-landmine-attack-kills-junta-troops
WFPの食糧支援をミャンマー国軍が妨害
4月3日、パコック地域から避難している国内避難民へ食料を届けにいった国連世界食糧計画(WFP)の一団が、ミャンマー中部マグウェイ地域で国軍に止められ、そのまま引き返すことになった。
WFPは、マグウェイ地域とチン州南部に避難している国内避難民に、米、食用油、豆、妊婦への栄養サプリメント等を届ける予定だった。
国連食糧計画は2021年2月から紛争や暴力下にある人々の支援を続けている。
(Mizzimaより抜粋・和訳 2022年4月4日)
https://mizzima.com/article/authorities-block-un-world-food-programme-convoy-reaching-idps
過去8か月に2800回以上の武装衝突
民主化・市民参加を推進する独立系シンクタンクISPミャンマーによると、2021年7月1日から2022年3月20日の8か月間に ミャンマーで2800回以上の武装衝突があった。
ミャンマーの各少数民族武装勢力が支配する地域(カチン州、カヤー州、カイン州、チン州)では2193回の武装衝突があり、うち1775回はカレン民族同盟(KNU)の支配地域で起こっている。
(Mizzimaより抜粋・和訳 2022年4月5日)
https://mizzima.com/article/more-2800-armed-clashes-myanmar-over-last-8-months