日本政府は、1997年にオタワ条約に調印し、98年に国会で地雷の禁止に関する国内法を成立させたことで、オタワ条約の締約国となりました。1999年以降、毎年開かれている締約国会議には全て出席しており、委員会の共同議長を務めたこともあります。

日本政府はオタワ条約を前向きに実施しています。例えば貯蔵地雷の廃棄について、日本はオタワ条約調印時に100万個を超える地雷を保有していましたが、2003年2月に訓練用の地雷を除くすべての地雷の廃棄を終了しています。

また、地雷対策への支援も行っています。1997年に日本政府は地雷問題への取り組みとして「犠牲者ゼロ・プログラム」を発表しました。その中で今後5年内に100億円を支援することを約束し、実際に期限内に支援を実施しました。その後も毎年継続的に支援金を拠出しています。そのため、地雷対策への拠出金のレベルでは、日本は常にトップクラスの支援国です。

しかし、日本政府の地雷問題への取り組みにいくつかの問題がないわけでもありません。まず、オタワ条約の強化の問題、すなわちこれまで結論が先延ばしにされてきた締約国の義務や地雷の定義、訓練用の保有地雷の数の問題について、否定的な姿勢が見られます。日本政府が目指す地雷による犠牲者が出ない世界の実現のためにも、条約の強化というこれらの問題に積極的に取り組むことが必要でしょう。

さらに、地雷対策への支援についても改善の余地があるでしょう。なぜなら、日本政府の地雷対策への支援は、主に地雷除去のために使われており、犠牲者支援にはほとんど使われていないからです。もちろん地雷除去は必要不可欠な対策ですが、地雷の犠牲者を支援し社会復帰を助けることは同様に重要です。より犠牲者支援に目を向けた支援が必要とされているのです。