ロシア軍によるクラスター爆弾・対人地雷使用の関連トピックについて

 



 

地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)-クラスター兵器連合(CMC)は、ウクライナにおけるクラスター爆弾の使用を停止し、核兵器の世界的な禁止を尊重するようすべての当事者に呼びかけます。(ジュネーブ、2022年4月21日)

報道関係各位

日頃より地雷廃絶日本キャンペーンの活動に、ご理解とご協力を賜り誠にありがとうございます。

ICBL-CMCは、4月18日のニューヨーク・タイムズ紙の報道にある通り、ウクライナ軍が8週間前の戦闘において、国際法で禁止されているクラスター爆弾を使用した疑惑を強く非難する声明を発表しました。

「クラスター爆弾がもたらした悲惨な結果と日々直面している生存者として、この陰湿で残虐な兵器を誰であれ、どこであれ使用することを正当化することはできません。私たちはすべての当事者に対し、すべての使用を直ちに停止し、市民の命を守るためにあらゆる措置を講じるよう呼びかけます」とクラスター爆弾連合(CMC)のブラニスラフ・カペタノヴィッチ大使は述べています。

クラスター爆弾は、2月にウクライナ侵攻したロシア軍によって繰り返し使用されてきました。紛争下で禁止されているクラスター爆弾が広範囲に使用されていることは、Vox Mediの新しいビデオレポートや、ICBL-CMCメンバーのヒューマン・ライツ・ウォッチ、国連人権高等弁務官事務所などによって文書化されています。

「ウクライナ政府軍によるクラスター爆弾の使用が報じられていることは、ウクライナで起きている人道的悲劇を悪化させるだけだ」とICBL-CMC事務局長のヘクター・ゲラ氏は述べています。

ICBL-CMCはウクライナ政府とロシア政府に対し、この兵器のあらゆる使用を停止するよう求め、いかなる主体によるクラスター爆弾の使用も強く非難します。

クラスター爆弾の使用は、110カ国が採択した2008年・クラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)で禁止されています。ウクライナもロシアも条約に加盟していませんが、ウクライナは以前、この兵器の人道的影響を認めています。

3月2日、ウクライナは他の139カ国とともに、紛争のすべての当事者が国際人道法に基づく義務を完全に遵守するよう要求し、その点でのすべての違反を非難する国連決議を承認しました。

ウクライナは、旧ソ連から受け継いだクラスター爆弾の備蓄を保有しています。

ICBLーCMCが発行している「ランドマインモニター」によると、ウクライナ政府の軍隊とロシアが支援する反政府武装勢力は、2014年から2015年にかけてウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州でクラスター爆弾を使用しましたが、ウクライナ政府は繰り返し武器の使用を否定しています。

ICBL-CMCは、対人地雷、クラスター爆弾、その他の爆発性の戦争の残骸がなく、すべての命が保護される世界、そして地雷、不発弾によって汚染された土地の現状が回復され、生産的な使用のために地元住民に返還され、影響を受けたコミュニティや生存者のニーズが満たされ、人権が保証される世界のために活動しています。

クラスター爆弾禁止条約は、2010年8月に発効。現在の締約国は110カ国。これまでに約150万発の親爆弾と1億7800万発の子弾の破壊が確認されています。

JCBLは引き続きクラスター爆弾や対人地雷の廃絶と、生存者の社会復帰を目指して活動を続けていきます。

2022年4月22日
特定非営利活動法人 地雷廃絶日本キャンペーン
代表理事 清水 俊弘

参考リンク
JCBL - https://www.jcbl-ngo.org/

CMC -  http://www.stopclustermunitions.org/en-gb/home.aspx

★この件に関するお問い合わせ 地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL) 代表理事 清水俊弘 E-mail: office@jcbl-ngo.org

 


 

イタリア:ウクライナにおけるロシア軍によるクラスター爆弾使用を非難した決議が全会一致で採択

4月6日、イタリア議会下院の外務委員会で「ロシア軍によるクラスター爆弾の使用を非難する姿勢を強化する」決議が全会一致で採択されました。
以下、その内容を紹介します。

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議決 No. 7−00813 Delrio:ウクライナでのクラスター爆弾と対人地雷の使用に関して

今回のロシアとウクライナ紛争において、近年勃発した戦争同様に、クラスター爆弾が人口密集地で使用されたことが確認されている。

クラスター爆弾を搭載したロシアの弾道ミサイルにより、ドネツク州Vuhledar市にある病院近くが砲撃された写真をヒューマンライツウォッチが報道した。この砲撃は2022年2月24日に行われ、4人の民間人が死亡し、10人が負傷したが、うち6人は医療従事者だった。

加えてアムネスティインターナショナルの発表によると、2022年2月25日にウクライナ東北部にある学校にロケット砲で発射されたクラスター爆弾が被弾し、子供を含んだ3人が死亡、その子供の弟(または妹)は負傷した。

2022年3月3日、ジュネーブ軍縮会議におけるウクライナセッションでイタリアは「民間人に対する武器の無差別使用を正当化することはできない。ウクライナにおけるクラスター爆弾および対人地雷の使用可能性について大変危惧している」と、同日に国連人権高等弁務官が、また前日にクラスター爆弾禁止条約の議長国であるイギリスが宣言したのと同様に表明した。

2022年3月11日、国連高等弁務官は、「ウクライナの人口密集地においてロシア軍がクラスター爆弾を使用した複数の事例に関する確度の高い報告を受領した。このような兵器の無差別使用は戦争犯罪に値しうる。」と発表した。

2022年3月16日、ウクライナ下院議会中にDi Maio大臣は、クラスター爆弾が使用されたことを強く非難した。「クラスターの子爆弾の形と色は特に子供たちにとって興味を惹くものである。国際人道団体の報告によると、約1万人がクラスター爆弾により死亡または負傷、障害を負っている。そのうち90%が民間人であり、その1/4が子供である」と。

クラスター爆弾が及ぼすその広範囲の影響により、人口密集地での使用は戦闘行為を規定する国際人道法に反する。

不発弾の存在が障害、破壊、居住不可を引き起こすことにより、住居、必要不可欠な公共サービス、医療施設などに損害が及び、その地域に住んでいた住人の人生、生活に長期に渡って影響を及ぼすことになる。(いわゆる「波及的影響」)

クラスター爆弾と不発弾は市民の安全とSDGsの達成の歩みに対し長期間のインパクトを残すことになる。

2022年4月4日は国連が提唱する、「国際地雷啓発デー」だ。

2019年11月18日以降、人口密集地での爆発性兵器の使用による人道的影響から民間人を守ることを強化する国際政治宣言の作案が進行しているが、そこで焦点を置いているのは以下である。

  • 市街戦における爆発性兵器の使用による人道的影響および紛争後の「波及的影響」を認識すること。
  • 犠牲者支援に対する国際人道法の条項に関して広範囲に影響を及ぼす爆発性兵器の使用に起因する民間人の負傷を避け、制限するために軍事攻撃作戦を共有することを進めること。

2022年4月6日-8日、爆発性兵器の国際ネットワークを生み出そうとしている外交団や民間団体の代表たちは前出の国際政治宣言の交渉を進めるためにジュネーヴに集まり、以下のことを各国政府が取り組んでいく。

  • 外交団や全ての有効な多国間協議を用いて、ウクライナで、またいかなる紛争においても、いかなる主体であろうとも、クラスター爆弾および対人地雷の使用は厳しく明確に糾弾されることを引き続き表明していく
  • 市街戦における民間人の保護をより確実にするために、爆発性兵器の国際ネットワークに参加し続け、人口密集地での爆発性兵器の使用により生ずる人道的影響からの民間人保護強化を目的とする国際政治宣言を制定するよう導く外交手段を積極的に支持していく
  • 市街戦での爆発性兵器から民間人を守るための原則とガイドラインの適用のために、軍事作戦の照会を更に求める後続の国際政治宣言を作り上げていく

 



ウクライナにおけるロシアの地雷使用に対する各国の非難声明

:メアリーウェアハム、HRW・アームズアドボカシーディレクター
最終更新日:2022年4月8日(ニュージーランドの日付変更線)  

3月28日以来、ウクライナと少なくとも7カ国(オーストリア、ベルギー、コロンビア、イタリア、ポーランド、ニュージーランド、米国)がウクライナでロシアによる対人地雷を使用したことを非難または懸念を表明している。ウクライナでの地雷使用は、対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)の議長及び普遍化特使と、アメリカ上院議員パトリック・リーヒーによっても非難されている。

非難の声を上げている国々:

 オーストリア
「ウクライナでクラスター爆弾や地雷などの禁止兵器が使用されたという報告は衝撃的です。オタワ条約の共同イニシエーターの一人として、オーストリアは、これらの非人道的な兵器の廃絶のために意識を高め、戦うことを誓約していることを再確認します。

ベルギー
#MineAwarenessDay 2022年4月4日 ベルギー@MFA_Austriaからのツイート
2022年4月6日、ジュネーブの人口密集地域における爆発性兵器に関する会合において、クラスター爆弾の使用を非難した。  

コロンビア
「対人地雷は犠牲者を引き起こすだけで、いかなる種類の問題も解決しません。だから、どうかロシア人よ、どうか、地雷の犠牲者である多くの人々は、ウクライナとロシアの間で起きていることとは何の関係もないのだから、どうか、使用を止めてください。
2022年4月5日、マイン・バン条約議長、アリシア・アランゴ・オルモス・コロンビア大使による国連プレスブリーフィングのコメント。

ニュージーランド
「ロシアがウクライナで対人地雷を使用したという報告に愕然としており、これはウクライナが締約国であるオタワ条約によって確立された非人道的な兵器の使用に対する広範な規範に違反している。対人地雷のあらゆる使用を非難する。
ニュージーランド軍縮・軍備管理大臣フィル・トワイフォード(Phil Twyford)のツイート(2022年3月30日)

イタリア
議会決議7-00813決議は、政府が「外交代表団を通じて、またあらゆる適切な多国間フォーラムにおいて、ウクライナにおけるクラスター爆弾と対人地雷の使用、および関係する主体によるクラスター爆弾と対人地雷の使用を登録するいかなる紛争においても、厳格かつ明確な非難を引き続き表明する」ことを約束している。
2022年4月6日、イタリア議会決議7-00813の非公式な英訳が代議院外務委員会において全会一致で承認された。

ポーランド
「ウクライナで戦っているロシア軍がハリコフ東部で使用した対人地雷を禁止し、16メートルの範囲内で無実の人々を無差別に殺害し、傷つけたという報告を、我々は非常に懸念している。これらの兵器は戦闘員と民間人を区別しない。それら今後何年にもわたって致命的な遺産を残すでしょう。 2022年4月4日、ポーランドのクシシュトフ・シュチェルスキ大使による国連地雷啓発デーの声明。

ウクライナ
「2月24日にロシアがウクライナに全面侵攻して以来、ロシアは過去8年間ウクライナの土地を汚染してきたが、地雷と戦争の爆発物残骸の問題は特に深刻になっている。 ウクライナ外務省の声明「地雷対策における地雷の認識と支援のための国際デー」の開催について。

米国
「ロシアのウクライナ攻撃は、今後数年間、ウクライナ全土のコミュニティにおける致命的な地雷と不発弾(UXO)による死傷者のリスクを指数関数的に増加させ、拡散の脅威に対処する長年の進歩を逆転させました。 2022年4月6日、国務省政治・軍事問題@StateDeptPMによるツイート。

その他の声明

アメリカ合衆国上院議員パトリック・リーヒー
「戦争は終わり、彼らはとどまる」とバーモント州の民主党上院議員パトリック・J・リーヒーは地雷と不発弾について語った。「標的は常に民間人であり、命を救う医療を提供する能力が限られている場所にいます。「ウクライナで何が起きているか見てみなさい―ロシアは、人々の家や、子どもたちの遊び場や人々が行く場所に地雷を敷いている」と、リーヒー氏は語った。「彼らはテロの武器としてそれを使用しています。」
ジョン・イスメイ「新しいロシアの地雷はウクライナに特別なリスクをもたらす」、ニューヨークタイムズ、2022年4月6日に引用

オタワ条約普遍化特使
「地雷禁止条約に加盟していない国は33カ国あり、その中には、何千万もの対人地雷を軍事倉庫に共同で保有している国もあれば、残念ながら地面に埋めてしまった何百万もの地雷を保有する国もある。…我々は、対人地雷の使用疑惑を懸念している…締約国ではない一つの国(ロシア)が、締約国ウクライナに地雷を配備している。
対人地雷のいかなる使用も、民間人に対する遺憾な犯罪である。我々は、対人地雷又は武装集団を使用するいかなる国に対しても、本質的に無差別、非人道的、忌まわしいと言われる兵器の使用を控えるよう求める。
ヨルダンのミレッド王子・オタワ条約普遍化特使による国連プレスブリーフィング声明、2022年4月4日

オタワ条約締約国会議議長
「オタワ条約の議長国は、ウクライナにおけるこの狡猾な兵器の使用の即時停止を求めている」 2022年4月5日、マイン・バン条約議長、アリシア・アランゴ・オルモス・コロンビア大使


 

ロシア軍による対人地雷の使用を強く非難します

報道関係各位

日頃より地雷廃絶日本キャンペーンの活動に、ご理解とご協力を賜り誠にありがとうございます。

米国の人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」並びに地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)は、3月29日、ウクライナで戦闘中のロシア軍が、ハリコフ東部地域において国際条約で禁止されている対人地雷を使用したとして相次いで抗議声明を発表しました。

HRWによると、 対人地雷は、3月28日にウクライナの爆発物処理技術者によって発見されたもので、ロシアによって新たに開発されたPOMー3(通称メダリオン)であるとしています。

POMー3は、接近する人を感知し、爆薬を空中に放出する振動センサーを搭載しており、爆発に伴う金属片の飛散によって、半径16メートル以内にいる人々を無差別に殺傷する可能性があると言われています。

HRW武器局のスティーブ・グース氏は「これらの兵器は戦闘員と民間人を区別せず、戦闘終了後も何年にもわたって致命的な遺産を残す。ロシアによるウクライナでの対人地雷の使用は、これらの恐ろしい兵器の使用に反対する国際規範を故意に無視している。世界中の国々は、ロシアがウクライナで対人地雷を使用していることを強く非難すべきだ」と述べています。

1997年の対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)は、対人地雷の使用、生産、備蓄、移転を包括的に禁止しています。

現在の条約加盟国は164か国。ウクライナは1999年2月24日に禁止条約に署名し、2006年6月1日に締約国となりましたが、ロシアは未だ条約の外にいます。

今回の対人地雷の新たな使用は、オタワ条約に加盟していない国が条約締約国の領土でこの兵器を使用するという特殊な状況を示しています。

POM-3には、配備後数時間から数日後など、一定時間後に自滅する自己破壊装置が装備されていると伝えられています。この地雷は特別に設計された地上発射装置から発射された後、日付不明のビデオに記録され、3月26日にソーシャルメディアに投稿されました。

2020年11月、ロシアは国連総会で、「オタワ条約の目標を共有し、地雷のない世界を支持する」と述べる一方で、対人地雷は「ロシア国境の安全を確保する効果的な方法」と見なしてもいます。

私たちJCBLは、ICBLとともに、ロシア軍による対人地雷の使用を強く非難し、軍事行動の即時停止と、民間人の保護、国際人道法の尊重、対人地雷およびクラスター爆弾の使用を禁止する国際規範を遵守するよう求めます。

また、オタワ条約原加盟国の一つである日本政府に対し、ロシア政府に同兵器の使用責任を厳しく問うよう求めます。

2022年3月31日
特定非営利活動法人 地雷廃絶日本キャンペーン
代表理事 清水 俊弘

参考リンク
1:Landmine Monitor 2021(ロシア):Mine Ban Policy | Reports | Monitor (the-monitor.org)
JCBL ウクライナ関連:  ロシア軍によるクラスター爆弾使用について – 地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL) (jcbl-ngo.org)
ICBL Russia Uses Banned Antipersonnel Mines in Ukraine: ICBL-CMC Calls for International Condemnation and Immediate End to Use | News and Events | ICBL

★この件に関するお問い合わせ 地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL) 
代表理事 清水俊弘
 E-mail: office@jcbl-ngo.org   


 

ロシア軍によるクラスター爆弾使用について政府の対応を求めます

外務大臣
林 芳正 殿

 拝啓 時下益々ご清祥のことと存じます。

 私どもは1997年に成立した対人地雷全面禁止条約及び2008年に成立したクラスター爆弾禁止条約の策定過程に関わってきた民間の人道団体(https://www.jcbl-ngo.org/)です。

 現在ウクライナで進行中のロシア軍による軍事攻撃において、国際法で禁止されているクラスター爆弾の使用が取りざたされています。

 本件に対して、クラスター爆弾禁止条約の締約国会議の議長国である英国を筆頭に、NATO加盟国でもある、フランス、カナダを含む17か国(*1)がすでに何らかの形でロシア政府の行いに対して、抗議の意を示しています。

また、NATO事務総長、国連人権高等弁務官、そして、アムネスティ・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、マインズ・アドバイザリー・グループなどを含むクラスタ-兵器連合(CMC)もクラスター爆弾の使用を厳しく非難しています。

紛争を平和的に解決する手段の一つとして、国際法の順守は死活的に重要です。

私たちは、市民に受け入れ難い傷をもたらすクラスター爆弾等の無差別兵器の使用により、民間人の命と尊厳を踏みにじるロシアによる暴挙に断固抗議し、クラスター爆弾禁止条約締約国である日本政府が、ロシア政府に同兵器使用の即時停止を求めるとともに使用責任を厳しく問うよう求めます。

*1:ウクライナにおけるロシアによるクラスター弾の使用に対する非難(2022年3月19日時点):
17か国 : アルバニア、オーストリア、ベルギー、カナダ、コスタリカ、フランス、グアテマラ、アイルランド、イタリア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、フィリピン、スウェーデン、スイス、英国。

 2022年3月23日
特定非営利活動法人 地雷廃絶日本キャンペーン
代表理事 清水 俊弘

 


 

ウクライナにおける強化爆風兵器。燃料気化爆弾、真空爆弾…

翻訳前の記事(https://edit.hrw.org/news/2022/03/07/enhanced-blast-weapons-ukraine)

Human Rights Watch
March 7, 2022 5:03PM EST


  写 真  
2021年の演習で撮影されたロシアのTOS-1Aマルチバレルロケットランチャー。これらの兵器は、最大6〜8km離れた熱圧弾頭を備えた24個のMO.1.01.04シリーズロケットのボレーを迅速に発射できる。


ウクライナのロシア軍の写真やビデオでいくつかのタイプの強化爆風兵器を見ることができる。これらの武器の一部はウクライナ軍によって捕獲もされているようだ。強化爆風兵器は現代の紛争で多く使用されている。例えば、米国がアフガニスタンで、ロシアがチェチェンで、イラクがモスルで、シリアがアレッポで、アゼルバイジャンがカラバフで使用している。

「サーモバリック爆弾」、「燃料気化爆弾」、「真空爆弾」という用語はすべて、このタイプの武器を表すために使用されている。空中投下爆弾、ロケット砲、肩発射弾などの多数の武器には強化された爆風弾頭が装備されている。それらの爆風兵器は同等の大きさの従来の爆発弾よりも強力であり、より確実に建物、地下室、洞窟の中にいる人々を殺傷することができる。

強化爆風兵器は広範範囲に拡散するため、特に人口の多い地域や周辺では無差別攻撃を引き起こす。都市環境で強化爆風兵器の影響を戦闘員のみに限定することは非常に困難であり、爆風兵器の性質上、民間人がこの破壊的な攻撃から逃れることは事実上不可能だ。

強化爆破兵器は焼夷爆弾(クラスター爆弾)のような兵器でもなく、国際人道法で禁止されているわけでもない。これらの武器の初期の開発はソビエト連邦で行われ、そこからこの武器は「火炎放射器」であるという誤った分類へとつながった。

様々なタイプの拡張爆風兵器にはいくつかの起爆方法があるが、それらは総じて同じ原理で機能している。爆発性の化学物質が爆発すると同時に大気中の酸素を消費し蒸気雲となって拡散する。破壊および死傷は「デフラグ・トゥ・デトーネーション」型爆発によって生じる高温の爆風によって引き起こされる。


既知のロシアの強化爆風兵器の例は次のとおり

空投下

  • ODABシリーズ500kg無誘導空投下爆弾
  • KAB-500Kr-OD誘導空投下爆弾 ODS-ODディスペンサー、
  • ODS-OD BLUクラスター爆弾(ディスペンサーあたり8)
  • S-8D(S-8DM) 80mm空対地ロケット
  • S-13D 122 mm 空対地ロケット

地上発射

  • 300mmスマーチマルチバレルロケットランチャー用9M529ロケット
  • 220mmウラガン多砲ロケットランチャー用9M51ロケット
  • TOS-1/TOS-1A 220mmマルチバレルロケットランチャー(ブラティーノ、「ピノキオ」)
  • RPO-A シュメル肩発射ロケット
  • RPG-7肩撃ち式ロケットランチャー用TBG-7V

  原 文  

  写 真  

Russian TOS-1A multi-barrel rocket launchers photographed on exercises in 2021.  These weapons can rapidly launch a volley of 24 MO.1.01.04-series rockets with thermobaric warheads up to 6-8 kilometers away. © 2021 Associated Press


Several types of enhanced blast weapons can be seen in photos and videos of Russian forces in Ukraine. Some of these weapons also appear to have been captured by Ukrainian forces. Enhanced blast weapons have been used in many contemporary conflicts, including Afghanistan by the United States, Chechnya by Russia, Mosul by Iraq, Aleppo by Syria, and Karabakh by Azerbaijan.

The terms “thermobaric,” “fuel-air explosive,” and “vacuum bomb” are all used to describe this class of weapons. A multitude of weapons including air-dropped bombs, rocket artillery and shoulder-fired munitions are equipped with enhanced blast warheads.

Enhanced blast weapons are more powerful than conventional high-explosive munitions of comparable size and are more likely to kill and injure people in buildings, basements, and caves.

Because enhanced blast weapons cover a wide area, they are prone to indiscriminate use, especially in or near populated areas. In urban settings it is very difficult to limit the effect of enhanced blast weapons to combatants, and the nature of enhanced blast weapons makes it virtually impossible for civilians to take shelter from their destructive effect.

Enhanced blast weapons are not incendiary weapons nor are they banned under international humanitarian law. Early development of these weapons in the Soviet Union led to them being mistakenly classified as “flame-throwers.”

Although several methods of operation exist for the various types of enhanced blast weapons, they generally function on the same principle:  an explosive material is dispersed as a vapor cloud that uses atmospheric oxygen as a fuel when it is detonated. Destruction, death, and injury are caused by the high-temperature blast wave created by the “deflagration-to-detonation” type explosion.

Examples of known Russian enhanced blast weapons include:

Air-Delivered

  • ODAB-series 500kg unguided air-dropped bomb
  • KAB-500Kr-OD guided air-dropped bomb 
  • ODS-OD dispenser, with ODS-OD BLU cluster bombs (8 per dispenser) 
  • S-8D (S-8DM) 80mm air-to-ground rocket
  • S-13D 122 mm air-to-ground rocket

Surface-Fired 

  • 9M529 rocket for 300mm Smerch multi-barrel rocket launcher
  • 9M51 rocket for 220 mm Uragan multi-barrel rocket launcher
  • TOS-1/TOS-1A 220mm multi-barrel rocket launcher (Buratino, “Pinocchio”)
  • RPO-A Shmel shoulder-fired rocket
  • TBG-7V warhead for RPG-7 shoulder-fired rocket launcher

 

ウクライナにおけるロシアのクラスター爆弾使用に対する非難

メアリーウェアハム、HRWアームズアドボカシーディレクター
最終更新日:2022年3月18日(ニュージーランド日付変更線)

2月28日以来、ウクライナにおけるロシアのクラスター爆弾の使用は、ウクライナ、少なくとも17カ国と欧州連合(アルバニア、オーストリア、ベルギー、カナダ、コスタリカ、フランス、グアテマラ、アイルランド、イタリア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、フィリピン、スウェーデン   、  スイス、イギリスによって非難されている。

クラスター爆弾攻撃は、クラスター爆弾禁止条約の議長、NATO事務総長、国連人権委員、国連人権特別報告者、専門家によっても非難されている。加えて、アムネスティ・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、マインズ・アクション・カナダ、マインズ・アドバイザリー・グループ、ノルウェー・ピープルズ・エイド、PAXなどのメンバー  を含むクラスター兵器連合(CMC)もウクライナにおけるクラスター爆弾の使用を非難している。

以下、17か国の声明を列挙する。

 

アルバニア

「ロシアの目標は、それを達成するために使っている手段と同じくらい忌まわしいものだ。私たちは、マリウポリや他の非人道的に包囲された都市で民間人が飢えている壊滅的な状況に怯えています。都市部でのクラスター爆弾の使用によって。

  • 3月11日、フェリット・ホッシャ大使による国連安保理声明

 

オーストリア

「我々は、国際人道法と両立せず、クラスター爆弾禁止条約の下で非合法とされているクラスター爆弾の使用を強く非難する。

  • アレクサンダー・マルシック大使の国連総会声明、ニューヨーク、2月28日。

 

ベルギー

「先週、市民への攻撃とクラスター爆弾の使用に関するいくつかの報告がありました。ベルギー政府は、戦争にも法律があることを私たちに思い出させてくれます。武力紛争の時も、すべての当事者は国際人道法を尊重する義務がある」

 3月   2日、アレクサンダー・デ・クルー首相、ソフィー・ウィルメス外務大臣、ヴィンセント・ヴァン・クイッケンボーン司法大臣のコミュニケ。

 

カナダ

「ロシアがクラスター爆弾を含む禁止兵器を使用しているという信頼できる報告がある。これは先週来るニュースではなく、今朝来る。 私たちはリアルタイムで何が起こっているのかを知っており、それは完全に忌まわしいことです。”

 

コスタリカ

ロシア連邦はまた、ウクライナに対する攻撃において、クラスター爆弾の使用、民間人を標的にし、サイバー攻撃を開始するなど、他の協定に違反している。

  • ロドリゴ・A 大使の国連総会声明カラソ、2月28日。

 

フランス

「ロシアのウクライナ侵略は違法であるばかりでなく、何よりもまず人間の悲劇だ。この紛争地帯における民間人の保護は、ウクライナ大使が小児病院の近くで回想したように、ロシアが民間人居住区でクラスター爆弾を繰り返し使用しているため、優先事項でなければならない。クラスター爆弾は、紛争中は付随的損害のリスクを伴い、紛争後には爆発性の戦争の残骸のリスクを伴うという二重の人道的リスクがあることを重ねて訴える。

我々はまた、ロシアがウクライナで熱圧爆弾/燃料気化爆弾を使用したという疑惑についても極めて懸念している。フランスは、ウクライナにおけるこれらの兵器の使用を非難する。我々は、ロシアに対し、これらの使用を控えるよう厳粛に求める。これらの特に致命的な武器の使用は、敵対行為の終結後ずっと後に民間人に劇的な結果をもたらす可能性があります。我々は,ロシアに対し,国際人道法を完全に尊重し,民間人の生命及び完全性を危険にさらすいかなる行動も慎むよう求める。”

  • ヤン・ファン大使による軍縮に関する会議声明、ジュネーブ、3月3日。

 

グアテマラ

「グアテマラは、ロシアが国際人道法に違反して民間人に対するミサイル発射をしていることを懸念する。クラスター爆弾が使われているが、その無差別な影響から国際的に禁止されている。これらの攻撃は軍事的効用と不均衡であり、戦争法に違反している。

  • ルイス・アントニオ・ラム・パディージャ大使の国連総会声明、ニューヨーク、2月28日。

 

アイルランド

「アイルランドはジュネーブの軍縮会議でも活発に活動しており、今朝私が話した。紛争における禁止されたクラスター爆弾の使用に対する我々の嫌悪を表明した。

  • 3月2日 サイモン・コヴェニー外務大臣の声明

「アイルランドは、国際法で禁止されているクラスター爆弾の使用を非難した。

  • サイモン・コヴェニー外務大臣による軍縮に関する会議声明、3月2日。

 

イタリア

「国連は、人口密集地域を含むロシア軍によるクラスター爆弾の使用に関する信頼できる報告を受けています。我々は、国際的に禁止されているこれらの忌まわしい兵器の使用を強く非難する:それらは無差別に民間人に影響を与える。

  • ルイージ・ディ・マイオ外務大臣による下院声明、ローマ、3月16日。

「民間人に対する武器の無差別使用を正当化するものは何もなく、クラスター爆弾と対人地雷の使用疑惑を特に懸念している。

– タンクレディ・フランセ常任代表代行による軍縮声明に関する会議、ジュネーブ、3月3日。

 

メキシコ

「いかなる状況下においてもクラスター爆弾を使用することは良心的ではありません。彼らは、特に紛争が終わった後、民間人に壊滅的な影響を与えます。 我々は,ウクライナにおけるこれらの弾薬の使用の停止を求める。 攻撃。我々は、クラスター爆弾禁止条約にまだ参加していない国々に呼びかける」と述べた。

3月7日、フアン・ラモン・デ・ラ・フエンテ大使による国連安全保障理事会声明[41:30]。

 

オランダ

  • 軍縮声明会議、ジュネーブ、3月3日。

 

ニュージーランド

「ニュージーランドは、ウクライナにおけるロシアによるクラスター爆弾の使用を非難する。クラスター爆弾禁止条約の強力な支持者として、我々はこれらの非人道的な兵器のいかなる使用も非難し、紛争のすべての当事者に対し、それらを使用しないよう要請する。

  • フィル・トワイフォード軍縮相のツイート、3月3日。

「私は、現在の紛争でロシアがクラスター爆弾を使用したという報告を深く憂慮しています。クラスター爆弾禁止条約の強力な支持者として、ニュージーランドはこれらの非人道的な兵器のいかなる使用も非難し、紛争のすべての当事者にそれらを使用しないよう強く促します。

  • 3 月3日、フィル・トワイフォード軍縮大臣による軍縮に関する会議の声明

 

ノルウェー

国際の平和と安全に対する本当の脅威は、ロシア連邦が他の主権加盟国に対して行った違法な戦争である。大使はクラスター爆弾の使用を非難し、今日確認した。

  • 3月11日、モナ・ジュール大使の国連安全保障理事会声明、ニューヨーク。

「軍縮声明会議」ジュネーブ、3月3日も参照。

 

フィリピン

ウクライナについて、「クラスター爆弾禁止条約とその規範の普遍化のためのコーディネーターとして、 フィリピン はいかなる状況下においても、いかなる主体によるクラスター爆弾の使用も非難する」。

  • 3月4日、国連ジュネーブ・フィリピン・ミッション常任代表部によるツイート。

 

スウェーデン

  • 軍縮声明会議、ジュネーブ、3月3日。

 

スイス

 

ウクライナ

「3月1日、ロシアはチェルノモルスケ村(ヘルソン地方)の民間人標的にクラスター爆弾を発射した。クラスター爆弾は最も危険な兵器の一つであり、無差別に活動し、民間人の間に不必要な傷害と不必要な苦しみを引き起こしている。

  • ウクライナ検事総長イリーナ・ヴェネディクトワのツイート、3月7日。

 

英国

「英国は、クラスター爆弾禁止条約(CCM)の議長国として、ロシアのウクライナ侵攻におけるクラスター爆弾の使用に関する報告を深刻に懸念している。クラスター爆弾禁止条約は、多くの紛争地域の民間人に壊滅的な影響を与えてきたこれらの兵器の人道的影響に対処するという集団的決意から生まれました。英国は、このような兵器の使用を継続するすべての国に対し、直ちに停止するよう要請し、まだ使用していないすべての国に対し、遅滞なく条約に加入するよう求める。CCMの締約国は、いかなる状況においてもクラスター爆弾を使用しないという我々の義務を強調し、条約の目的及び規定に従い、我々は、いかなる主体によるクラスター爆弾の使用も非難し、これらの兵器の使用から完全に自由な世界を達成するという我々の決意を堅持し続ける。”

  • クラスター爆弾禁止条約の声明 アイダン・リドル大統領(ジュネーブ)3月2日。

「クラスター爆弾禁止条約の議長国として、英国はクラスター爆弾の使用に関する報告を特に深刻に懸念している。

  • 3月3日、ジュネーブのアイダン・リドル大使による  軍縮に関する声明。

「軍縮という人道的目標に対する英国のコミットメントは揺るぎないままです。クラスター爆弾禁止条約の議長国として,我々は,ウクライナで現在行われている紛争におけるクラスター爆弾の使用に関する報告を懸念する。我々の議長国の下で、我々は、この重要かつ極めて重要な条約の普遍的批准を達成するための作業を強化している。

  • 2月28日、南・中央アジア・北アフリカ・国連・ウィンブルドン連邦主アフマド大臣による軍縮に関する会議の声明

「ウクライナの町や都市でクラスター爆弾の使用を見てきました」 [音声チェック]

  • 3月7日、英国の国連安保理声明。

 

欧州連合EU

民間人と民間インフラは、国際人道法に従って保護されなければならない。これには、特に人口密度の高い都市部における爆発性武器の無差別使用の禁止が含まれる。クラスター爆弾の使用に関する報道は、非常に憂慮すべきものです。民間人は決して標的であってはならず、民間人に対する暴力や虐待の加害者は責任を問われなければならない。

  • 3月7日、欧州連合(EU)の国連安保理声明

 

NATO事務総長

「クラスター爆弾の使用や、国際法に違反する他の種類の兵器の使用の報告を見てきました。…これは残忍であり、非人道的であり、国際法に違反しています。そして、国際刑事裁判所が本当にこれを調べていることを確認しなければならず、それが私が国際刑事裁判所の決定を歓迎する理由です。

  • 3月4日、イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長によるメディアへの声明。

 

国連人権委員

「民間人の死傷者の大半は、重砲、複数発射ロケットシステム、人口密集地域での空爆の使用によって引き起こされ、クラスター爆弾の使用が民間人の標的を攻撃したという報告も報告されています。住宅の建物に甚大な被害が出ています。人口密集都市部における広域効果を有する兵器の使用は、本質的に無差別である危険性があり、私はそのような武力の即時停止を求める。

  • ミシェル・バチェレ国連人権高等弁務官(ジュネーブ)による人権理事会の声明、3月3日。

 

国連事務次長

次長は、OHCHRは、ロシア軍が人口密集地域を含むクラスター爆弾を使用したという信頼できる報告を受けていると述べた。クラスター爆弾を用いるものを含め、軍事目標や民間人または民間施設を区別なく攻撃する性質の無差別攻撃は、国際人道法で禁止されている。

  • 3月11日、ローズマリー・ディカルロ政治・平和構築担当事務次長による国連安全保障理事会声明、ニューヨーク。

 

人権 専門家

「我々は、ロシア軍がクラスター爆弾や弾薬などの武器を使用し、住民に過度で有害な影響を与えていると報告されていることを非常に懸念している。クラスター爆弾は非常に危険で除去が難しく、紛争後の復旧・復興プロセスにおける長期的な障害でもあります。

  • 約50人の国連特別報告者および専門家による人権理事会の共同声明、3月8日

「クラスター爆弾、多連装ロケットシステム、戦術ミサイルシステム、砲兵システムなどの兵器の無差別使用がウクライナの複数の地域で報告されている 。 多くの家屋、燃料貯蔵所、水道、発電所などの民間インフラが攻撃または攻撃の脅威にさらされています。 … 住宅地への無差別砲撃やクラスター爆弾の使用は、これらの基準では国際法と両立しない。国際人道法のこれらの規定は、ウクライナの武力紛争にも、国家がクラスター爆弾を使用し、民間の住宅やインフラを攻撃した2003年のイラク侵攻のような以前の紛争にも適用される。国際人道法のこれらの重大な違反について各国に責任を負わせていないことは、法の支配という考えそのものを弱体化させている。都市やその他の人口密集地域における民間施設へのいかなる砲撃も、直ちに停止しなければならない。”

  • 適切な住居への権利に関する国連特別報告者による声明、バラクリシュナン・ラジャゴパル、3月9日。

 

追加のステートメント

米国

「ロシア軍がウクライナに極めて致死的な兵器を移動させているビデオを見たことがある。これには、 ジュネーブ条約で禁止されているクラスター爆弾や真空爆弾も含まれる。”

  •  リンダ・トーマス=グリーンフィールド大使による国連総会声明、3月2日。

 米国ミッションのウェブサイト上の修正された国連総会声明:

「民間人の死傷者や、ロシアがクラスター爆弾や燃料気化爆弾などの兵器を無実の人々が避難している都市に配備したという毎日の報告に、私たちは深く憂慮しています。

  • 3 月3日、米国アンブ・シェバ・クロッカー(ジュネーブ)による人権理事会の声明

 

ロシアの対応

ロシア連邦がクラスター爆弾を使用し、マリウポリの産科病院を爆撃したことが毎日のように言及されているが、ロシア国防省は両方の事件には関与していないと付け加えた。

  • 3月11日、ヴァシリー・アレクセーヴィッチ・ネベンジャ大使の国連安全保障理事会声明、ニューヨーク。
  • セルゲイ・ラブロフ外務大臣による軍縮に関する会議声明、ジュネーブ、3月1日。

「米国と欧州連合(EU)がウクライナに致死的な武器を供給したことは、人権保護と人命救助にどのように貢献したのか。1999年、北大西洋条約機構(NATO)の軍は非人道的な武器を使用し、ユーゴスラビア国民に対して無差別クラスター爆弾攻撃を行い、子どもを含む約2,000人の民間人を殺害した。

– ゲンナジー・ガチロフ大使による人権理事会声明、ジュネーブ、3月3日。


 

ロシア軍によるクラスター爆弾の使用について、日本政府の対応を求めます

3月10日、午前JCBLは以下の要請文を首相官邸に送りました。
ロシア軍によるクラスター爆弾の使用については、イギリス、フランス、カナダなどNATO加盟国を含む15か国がすでに公式に非難の声を上げています。
クラスター爆弾禁止条約締約国の義務として日本政府もしっかりと非難の声を上げてもらいたいと思います。

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ロシア軍によるクラスター爆弾使用について政府の対応を求めます

 

内閣総理大臣
岸田 文雄 殿

拝啓 時下益々ご清祥のことと存じます。

私どもは1997年に成立した対人地雷全面禁止条約及び2008年に成立したクラスター爆弾禁止条約の策定過程に関わってきた民間の人道団体(https://www.jcbl-ngo.org/)です。

現在ウクライナで進行中のロシア軍による軍事攻撃において、国際法で禁止されているクラスター爆弾の使用が取りざたされています。

米国の人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」の発表によれば、「2022年2月24日、クラスター弾を搭載したロシアの弾道ミサイルが、ウクライナ政府支配下のドネツカ地方の町ヴフレダールの病院のすぐそばを攻撃し、民間人4人が死亡、さらに10人(うち6人は医療従事者)が負傷し、病院、救急車、民間車両が被害を受けたと」あります。(HRWの発表の翻訳)

本件に対して、クラスター爆弾禁止条約の締約国であり、NATO加盟国でもある、イギリス、フランス、カナダを含む15か国(*1)がすでにロシア政府に対して、公式の場で抗議の意を示しています。

また、クラスター爆弾禁止条約締約国会議の議長、NATO事務総長、国連人権弁務官、そして、アムネスティ・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、マインズ・アドバイザリー・グループなどを含むクラスタ-兵器連合(CMC)もクラスター爆弾の使用を厳しく非難しています。

私たちは、民間人の命と尊厳を踏みにじるロシアによる暴挙に断固抗議し、クラスター爆弾禁止条約締約国である日本政府が、ロシア政府に同兵器使用の即時停止を求めるとともに使用責任を厳しく問うよう要請します。

*1:ウクライナにおけるロシアによるクラスター弾の使用に対する非難(202237日時点):

15か国 : オーストリア、ベルギー、カナダ、コスタリカ、フランス、グアテマラ、アイルランド、イタリア、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、フィリピン、スウェーデン、スイス、英国。


 

ロシア軍によるクラスター爆弾使用に対してICBL/CMCが声明を発表しました

 ICBL-CMCは2月25日、ウクライナ紛争におけるロシア軍によるクラスター爆弾の使用疑惑と、ニューヨークタイムズや他の情報源が報告した民間人の死傷を強く非難する声明を発表しました。
 
「ICBL-CMCは、ロシア軍による大規模な戦闘行為が民間人にさらなる危害を加える脅威を危惧しています。我々は、国際的に禁止された兵器の使用を直ちに停止することを求め、すべての当事者に対し、民間人の保護、国際人道法の尊重、およびクラスター爆弾と地雷の使用を禁止する国際規範を遵守するよう求めます。
 クラスター爆弾は、2014年7月から2015年2月の間にウクライナの紛争で以前に使用されました。
 クラスター爆弾は、多くの民間人を殺傷する無差別兵器であり、不発弾による大地の汚染は長きに渡ってその地に暮らす人々の命を脅かし、数年間に渡り復興の障害となり続けます。
 ロシアはオタワ条約とクラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)の外に残っています。
 ウクライナは、オタワ条約締約国ですが、オスロ条約には参加していません。
 ICBL-CMCは、地雷、クラスター爆弾、およびすべて戦争の爆発性残存物(ERW)によって汚染された土地の安全確保と、ERWによる影響を受けたコミュニティと生存者のニーズが満たされ、その人権が保証される世界を目指して活動を続けます。」