(特活)地雷廃絶日本キャンペーン プレス・リリース 2016 年 11 月 22 日午後 10 時(日本時間)解禁
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過去 10 年間で最も多い被害者数と最も低い支援額
-『ランドマインモニター2016』発行-

『ランドマインモニター2016(”Landmine Monitor Report 2016”)』が、本日、発行されます。地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)は、地雷にまつわる情報をまとめた『ランドマインモニター』を毎年発表しています。

本報告書では、以下のことが報告されています。

地雷の使用
国家が対人地雷を使用するケースは少ない。
• 2015 年10 月から2016 年10 月の間、締約国による新たな地雷の使用は確認されていない。
• 非締約国であるミャンマー、北朝鮮、シリアが昨年1 年の間に対人地雷を使用した。
昨年1 年の間に10 か国で非国家主体が対人地雷を使用した。10 か国は、アフガニスタン、コロンビア、イラク、リビア、ミャンマー、ナイジェリア、パキスタン、シリア、ウクライナ、イエメンである。
• 非国家主体の多くは、被害者が起爆させるタイプの簡易地雷やブービートラップを多用している。人の接近や接触によって爆発するこのような装置は対人地雷禁止条約で禁止されている。締約国であるカメルーンやチャド、ナイジェリア、フィリピン、チュニジア、そして非締約国であるイランとサウジアラビアで地雷が使用されたとの情報があったが、『ランドマインモニター』は確認できなかった。

被害者数
2015 年、対人地雷や実質的に対人地雷として機能する簡易地雷、クラスター爆弾、他の不発弾による被害は、急激に増加した。
• 2015 年、6,461 人の被害者が発生し、少なくとも1,672 人が死亡した。この数字は、2014 年と比較して75%の増加となる。
• 2015 年の増加は、リビアやシリア、ウクライナ、イエメンでの武力紛争が原因である。また、被害の情報がより容易に入手可能となったことも大きい。特にリビアとシリアでは被害者の情報が体系的に収集されている。
• 2015 年の被害者数は、2006 年以降で最高を記録した。
• 2015 年は、『ランドマインモニター』の調べでは、簡易地雷による年間の被害者が最高を記録した。
2015 年には、56 の国と5 つの地域で被害が発生した。このうち37 カ国が地雷禁止条約の締約国である。
• 被害者のほとんど(78%)が市民である。
• 市民の被害者の38%が子どもである。年齢の詳細については不明である。
• 被害者の14%が女性である。近年と比べ、若干増加している。
• 被害の60%は、締約国で発生している。2014 年には70%の被害が締約国で発生していた。
• 『ランドマインモニター』は、1999 年に記録を開始して以来、10 万人を越える被害者の存在を確認している。

地雷対策への支援
2015 年、ドナー国および地雷被害国は、地雷対策への支援に4 億7,130 万ドルを拠出した。この金額は2014 年から1 億3900 万ドル、23%の減少である。また、3 年連続の減少であり、2005 年以降最低レベルを記録した。
35 のドナー国が3 億4,010 万ドルを国際的な支援として拠出し、41 カ国と3 つの地域が支援を受け取った。2014年と比較すると7,700 万ドルの減少であり、2005 年以降初めて4 億ドルを下回った。
• ドナー国のうちトップ 5 カ国は、アメリカ、日本、EU、ノルウェー、オランダである。この 5 カ国で国際的支援の71%を占めており、その額は2 億4,000 万ドルに上る。
• 13 のドナー国が支援を減らした。特にEU とノルウェーが5,700 万ドル減少させた。
• 受け取り国のうちトップ 5 カ国はアフガニスタン、イラク、ラオス、カンボジア、シリアである。これらの国で1 億6,190 億ドル、全体の48%を受け取っている。
• アフガニスタンが13 年連続で受け取り国のトップとなった。
• 2016 年、ドナー国は3 度の会議を開き、地雷対策活動への支援と条約実施支援ユニットへの支援を議論した。このような会議の開催は初めてであり、これらの会議が2016 年以降の支援額にどのような影響を与えるかは依然不明である。
14 カ国が自国の地雷対策活動に1 億3,120 億円を拠出した。これは、2014 年から6,200 億円の減少である。

★ランドマインモニターについて
『ランドマインモニター2016』は第 15 回締約国会議(11 月 28 日~12 月 1 日、チリ、サンチアゴ)に先立ってICBL によって発表される。各国の詳細な情報をオンラインで提供するとともに全体的な分析等も行っている。この報告書は2015 年の出来事を対象としているが、2016 年11 月までの情報も必要に応じて含んでいる。
『ランドマイン・クラスターモニター』は ICBL-CMC のリサーチ部門である。ICBL は、地雷禁止に向けた活動が認められ1997 年にノーベル平和賞を受賞した。『ランドマインモニター』はICBL-CMC スタッフ、リサーチチームのリーダー、4 つのNGO(ダン・チャーチ・エイド、ハンディキャップ・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、マインズ・アクション・カナダ)から構成される委員会によって運営されている。

 Landmine Monitor 2016 landing page, including new maps –
http://www.the-monitor.org/engb/reports/2016/landmine-monitor-2016.aspx
 Monitor factsheets – http://the-monitor.org/en-gb/our-research/factsheets/2016.aspx
 ICBL website – http://www.icbl.org/
 Mine Ban Treaty – http://www.apminebanconvention.org/
 Landmine and Cluster Munition Monitor Twitter – https://twitter.com/MineMonitor

★この件に関するお問い合わせ 地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL) E-mail: office@jcbl-ngo.org